震災の経験から見えた「雨水利用」の必要性。断水時の生活用水の確保からガーデニングのやさしい水やり、集中豪雨時の流出抑制まで、雨水タンクは戸建に1基の必需品です。
多くの自治体が導入を後押しする助成金制度も、あわせてご紹介します。
震災を踏まえると、日常の暮らしのなかに非常時に関わる必要な機能への認識が私共のなかにも低かったと感じています。その反省と経験を鑑み、今後においてもよりよい暮らしを営んでいけるよう願いを込め、お庭づくりに取り組んでまいります。たくさんの人々と共に未来へ向かって――。
私共はこれまでも雨水タンクを販売してきました。それはあくまで環境へかかる負荷が小さいというメリットと、庭へ関わるにあたり自然の恵みを一義的に感じていただける点に趣を置き、ビオトープ施工監理士として雨水利用の必要性を啓蒙していく義務があると強く考えていたからです。しかしながら、この度の震災において、既売いたしましたお客様からは当初見込んでいたメリットとは別に、お礼のご連絡を受けることとなりました。トイレの洗浄水や洗い水などの緊急時の雨水利用が必要不可欠であることを、私共は改めて実感いたしました。それは嬉しくもあり、はがゆさも感じています。
ただ自信を持っていえることは、災害は今後においても起こりうる可能性があるなかで、戸建に1基の雨水タンクは必需品であるということです。
戸建に1基の雨水タンクは必需品です。もちろん設置スペースなどの制約もございますが、暮らしのなかで得られる恩恵は防災・ガーデニング・治水の3つの側面から実感していただけると考えています。
災害における断水時に、トイレの洗浄水やちょっとした汚れ物の洗浄などに貯留してある雨水を利用します。
雨水タンクに溜った雨水は冷たすぎず、カルキもなく植物にはとても優しい。節水そのものを数値的な目的とするより、節水の意識をもてることの意義が大きいのです。
集中豪雨の際に大量の雨水が一気に下水道や側溝へ流れ込むのを抑える、一時的な貯留施設としての役割も担っています。敷地内でいったん雨水をタンクに溜めることで急激な流出を和らげ、道路冠水や下水道への負担軽減につながります。
多くの自治体が雨水タンクの設置に助成金を設けている背景には、こうした流出抑制の効果も理由のひとつとして挙げられます。
多くの自治体では購入費用に対して助成金制度を設けています。支援制度については地域の実情によりだいぶ違いがありますので、お住まいの自治体の制度について調べてみるとよいでしょう。仙台・宮城を中心に東北・関東エリアでの導入をサポートするなかで、主要な自治体の助成金制度についてさらに詳しく調べました。管轄部署や補助率、申請のタイミングは自治体ごとに大きく異なりますので、下記の比較表をぜひ参考にしてください。
| 自治体 | 管轄部署 | 補助率 | 上限額・特徴 | 申請タイミング |
|---|---|---|---|---|
| 仙台市(宮城) | 下水道局 | 2分の1以内 | 上限10,000円 容量80L以上が対象。市税滞納がないこと。 |
事前申請 (購入・設置前) |
| いわき市(福島) | 生活環境部 生活排水対策室 経営企画課 | 3分の2 | 上限50,000円 容量200L以上の市販品。1棟1基まで。浸水(内水)ハザードマップ対象区域内が対象。 |
事前申請 (購入・工事の20日前まで) |
| 郡山市(福島) | 上下水道局 お客様サービス課 排水施設係 | 3分の2 | 上限40,000円 容量100L以上、1棟1基まで。個人申請も可。 |
事前申請 |
| 日立市(茨城) | 都市建設部 都市整備課 | 2分の1 (市内中小企業製造品は3分の2) |
上限30,000円(市内中小企業製造品は40,000円) 市が認定した製品のみが対象。 |
事前申請 (設置前) |
| 水戸市(茨城) | 環境保全課 | 2分の1 | 上限30,000円 容量100L以上。 |
事前申請 (設置・購入前) |
| 宇都宮市(栃木) | 上下水道局 | 3分の2(66.6%) | 上限40,000円〜80,000円/基 容量で変動(100L〜:4万円、300L〜:6万円、500L〜:8万円)。1棟2基まで可(最大16万円)。 |
事前申請 (購入・工事前) |
| 小山市(栃木) | 下水道施設課 | 3分の2 | 上限60,000円 容量100L以上。市街化区域内が対象。 |
事後申請 (購入日から1年以内) |
| 館林市(群馬) | 市民環境部 地球環境課 環境保全係 | 2分の1 | ぽんちゃんPay上限30,000円(1,000円未満切捨て) 市内デジタル地域通貨で支給。1住宅1回のみ申請可。 |
事後申請 (設置完了後) |
| 長野市(長野) | 河川課 | 2分の1 | 上限25,000円(容量100〜500L未満)/50,000円(500L以上) 容量100L以上、建物一戸につき2基まで。 |
事後申請 (購入日から概ね1年以内) |
| 川越市(埼玉) | 下水道建設課 | 2分の1 | 上限19,000円/基 2基(最大38,000円)まで申請可。容量100L以上。 |
事後申請 (設置完了後) |
| 川口市(埼玉) | 地球温暖化対策室 | 定額相当 | 市内業者利用上限24,000円 市外業者利用上限20,000円 一般市販品、衛生的に使えるものが対象。 |
事後申請 (領収日以降) |
| 戸田市(埼玉) | 水安全部 総務課 | 2分の1 | 上限50,000円(100円未満切捨て) 1世帯1基まで。 |
事前申請 (工事着手前) |
| 新座市(埼玉) | 市民生活部 環境課 | 2分の1 | 上限10,000円 | 事前申請 |
| 草加市(埼玉) | 市民生活部 環境課 | 2分の1 | 上限10,000円 地球温暖化防止活動補助金の一環として運用。 |
事前申請 (購入・工事前) |
| 世田谷区(東京) | 豪雨対策・下水道整備課 | 2分の1 | 上限35,000円 本体+設置経費(設置は上限5,000円)の合計。職員の現地確認あり。 |
事前申請 (購入・設置前) |
| 墨田区(東京) | 環境保全課 | 2分の1 | 上限20,000円 本体価格(税抜)の2分の1が対象。 |
事前申請 |
| 台東区(東京) | 環境課 | 2分の1 | 上限50,000円/台(2台まで) 雨水を二次利用水として再利用できるものが対象(浸透ます・浸透トレンチは対象外)。 |
事前申請 |
| 大田区(東京) | 都市基盤整備部 | 2分の1(個人が小型タンクを設置する場合は3分の2) | 小型(500L未満)1基上限40,000円、1敷地2基まで 大型(500L以上)上限300,000円 |
事前申請 (区の交付決定前の購入・工事は対象外) |
| 豊島区(東京) | 環境政策課 | 定額(機器設置費用により変動) | 10,000円(機器設置費用3万〜5万円未満)/20,000円(5万円以上) 容量50L以上1,000L以下が対象。 |
事後申請 (施工完了後) |
| 荒川区(東京) | 環境清掃部 | 「10L×1,000円×容量」と「施工費用の2分の1」のいずれか小さい額 | 上限300,000円 容量100L以上が対象。 |
事後申請 (設置完了後、受付期間内) |
| 板橋区(東京) | 環境政策課 自然環境保全係 | 2分の1 | 上限22,000円(1,000円未満切捨て) 設置工事費は対象外、本体・架台の購入費のみ。 |
事前申請 (購入前) |
| 調布市(東京) | まちづくり環境部 自然環境課 | 2分の1以内 | 上限30,000円 1申請でタンク2基分まで。申請後3年間は再申請不可。 |
事前申請 |
| 多摩市(東京) | 上下水道部 下水道課 | 2分の1 | 上限30,000円(容量100L以上) 容量500L以上の大型槽は一律100,000円。 |
事前申請 |
| 八王子市(東京) | 水循環部 水再生課 | 2分の1 | 上限25,000円 本体購入価格(部材・消費税含む、工事費・配送料は対象外)が対象。 |
事前申請 |
※上記は2026年8月時点の調査データです。予算・条件は年度により変更される場合がありますので、申請前に必ず各自治体窓口にてご確認ください。自治体名のリンクは各自治体の公式ページ(新しいタブ)に移動します。
これらの制度を比較すると、単に「環境にやさしいから」という理由だけでなく、自治体ごとの切実な事情や工夫が見えてきます。管轄部署・補助額・申請手続きの違いを読み解くと、自治体が本当に求めているものが見えてきます。
雨水タンクのメリットとしてよく挙げられるのは「災害時の緊急用水」や「ガーデニングへの利用」ですが、実際に助成金を管轄している部署を見ると、多くが下水道局や河川課、豪雨対策課であることが分かります。つまり自治体にとっての最優先目的は、集中豪雨時の道路冠水や下水道の許容量オーバーといった、いわゆる都市型水害の抑制です。各戸の雨水タンクで最初の100〜300リットルを一時的にせき止めてもらうことは、数億円規模の下水道インフラ拡張と同等、あるいはそれ以上の費用対効果があるため、多くの自治体が助成金を出しているのです。一方で、川口市・墨田区のように「環境政策課」や「地球温暖化対策室」が管轄している自治体もあり、こちらは水資源の有効活用や住民の節水意識の向上に重きを置いた、先進的なアプローチといえるでしょう。
注目すべきは、宇都宮市の突出した手厚さです。多くの自治体が「上限1万〜2万円程度、補助率2分の1」であるのに対し、宇都宮市は補助率を3分の2まで引き上げ、さらに容量に応じて最大8万円/基(2基で16万円)という、他の自治体とは一線を画す補助を用意しています。これは、過去に大規模な内水氾濫(浸水被害)を経験しているか、下水道のキャパシティに構造的な課題を抱えている可能性を示唆しています。「本気で大きな雨水キープ力が欲しい」という自治体の危機感の表れであり、住民にとっては大容量でデザイン性の高い海外製タンク(当店で取り扱うHarcostar製品など)を、実質的な自己負担を抑えて導入しやすい環境が整っているといえます。
助成金の申請タイミングは、購入・着工前の「事前申請」が原則というケースが圧倒的多数です。これは自治体側が「下水道計画区域内かどうか」「適切な製品かどうか」を事前に確認するためです。一方で、川越市のように設置後の「事後申請」へと手続きを簡略化する自治体も出てきました。事前申請の煩雑さによる申請離れを防ぎ、普及率を上げたい意図がうかがえます。また、川口市の「市内業者を利用した場合は上限額をアップする(2万円→2.4万円)」というルールは、雨水対策をしながら地元の外構業者や工務店に仕事が回る、地域経済への還元を意識した設計といえるでしょう。
ここまでの事例と考察を踏まえ、雨水タンクを賢く導入するためのチェックポイントをまとめました。
価格|3~8万円ほどのものが主流です。容量|最低100リットル~300リットルほどのものが便利です。
格安の商品はやはりホームセンターさんで購入されるのがよいと思いますので、【アトリエアムニー!】ではよりクォリティとデザイン性の高い商品、海外ブランドの商品を取り扱っております。必需品ですのでボランティア価格でお分けいたします。お問い合わせください。
| ウォーターストレージ | サイズ(㎜):φ380×H940/重量(㎏):4/材質:再生高密度ポリエチレン/カラー:ダークグリーン |
|---|---|
| レイントラップ | 雨樋から分岐集水するためのキット。満水時は自動的に雨水が雨樋に流れます。対角が60~100㎜までの丸樋や角樋、ハウスメーカーの雨樋にも対応。サイズ(㎜):ホース内径25×長さ1,500/材質:再生高密度ポリエチレン |
| タンクスタンド | サイズ(㎜):φ414×H320/重量(㎏):2/材質:再生高密度ポリエチレン。スタンドに水を汲みやすい位置へタンクを設置できます。 |
取り付けはご自身でも概ね出来る内容です。それでも、難しいと思われる方にはご相談にも応じます。他にもいろいろございます。メーカーのホームページをご参照ください。
四国化成 |
三協アルミ |
株式会社LIXIL |
YKK |
ヨドカーポート |
タカショー |
ジャービス
タクボ工業所 |
イナバ製作所
災害時の断水に備えたトイレ洗浄水・洗い物用水の確保、ガーデニングのやさしい水やり、集中豪雨時の雨水の一時貯留による流出抑制など、防災・ガーデニング・治水の3つの側面でメリットがあります。
いいえ、自治体によって管轄部署・補助率・上限額・申請タイミングが大きく異なります。多くは下水道局や河川課が管轄しており、集中豪雨対策としての側面が強い制度です。年度により内容が変わるため、申請前に必ず自治体窓口でご確認ください。
容量100〜300リットル程度のものが主流で、価格帯はおよそ3万円〜8万円です。多くの自治体では購入・設置前の事前申請が必要なため、助成金を活用する場合は購入前に申請の流れを確認することをおすすめします。
イギリス製Harcostarレインストレージなど、デザイン性に優れた海外ブランドの雨水タンクを中心に取り扱っています。取り付けもご相談いただけます。
雨水タンクの選び方・自治体助成金の活用について、お気軽にご相談ください。
Sendai Atelier
宮城県仙台市若林区
卸町2-15-2-TRUNK 5F
Saitama Atelier
埼玉県鶴ヶ島市
上広谷
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