監修:株式会社アトリエ アムニー代表取締役 飯沼伸久(1級造園施工管理技士・ビオトープ施工管理士 在籍/2008年創業)
保育所保育指針や幼稚園教育要領の改定以降、日本の幼児教育・保育は「子ども主体の保育」へと大きく舵を切りました。先生が主導する一斉保育から、子ども自身の興味や探究心を軸にした保育へ。その中で、多くの園長先生や主任保育士の皆様が頭を悩ませているのが「環境を通した保育(環境構成)」の実践です。
「子どもたちが自ら遊びを見つけられる環境を、どう作ればいいのか」「国の求める『幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿』を、日々の遊びの中でどう育むか」。その答えを求めて園舎内の環境(保育室)を見直す園は多いですが、実はそれ以上に重要な鍵を握っているのが「園庭」です。
カタログから選んだ既製品のカラフルな遊具を並べるだけの園庭は、いわば「既製品の遊具置き場」にすぎません。
私たちアトリエアムニーは、創業以来一貫して「自然素材を活かした、使い道の決まっていない“余白”のある園庭設計」を手掛けてきました。本記事では、この「余白のある園庭」が、なぜ国の定める保育指針(10の姿)をロジカルに、自然に呼び覚ますのかを、造園と保育環境の視点から詳しく解説します。
現代の保育において、園庭は単に「子どもたちが体を動かしてストレスを発散する場所」ではありません。保育所保育指針が示す通り、乳幼児期は「環境に関わって、自ら行動し、学びを深める時期」です。つまり、園庭そのものが重要な教科書であり、保育環境構成の主役なのです。
これからの時代、子どもたちに求められるのは、テストの点数では測れない「生きる力」=非認知能力(主体性、粘り強さ、協調性、探究心)です。そして、この非認知能力を最も効果的に育むのが、予測不可能で変化に富んだ「自然環境での外遊び」です。
階段を上り、滑り台を滑る。遊び方が最初から決められている既製品のプラスチック遊具は、子どもにとって「消費する遊び」になりがちで、工夫の余地はあまりありません。
ちょっとした土手の起伏、大きさのそろわない石、季節で表情を変える樹木、流れる水。これら自然素材が主役の園庭には、決まりきった正解(遊び方)がありません。
子ども自身が「これをどう使って遊ぼうか」とクリエイトする余白があるからこそ、園庭は自発的な「子ども主体の環境」へと進化していくのです。
「子どもたちに自由な環境を与えたいけれど、怪我や事故が心配……」。これは、園庭改修を検討される園長先生や先生方が最も不安に思われる点です。だからこそ、私たちアトリエアムニーの「プロとしての技術と資格」が必要とされます。
アトリエアムニーには、「1級造園施工管理技士」や「ビオトープ施工管理士」といった、国家資格および専門資格を持つ設計・施工のプロフェッショナルが在籍しています。私たちが目指すのは、「ハザード(大怪我に繋がる致命的な危険)」を徹底的に排除しながら、「リスク(子どもが挑戦し、成長するために必要な小さなスリル)」を適切に残す園庭設計です。
園庭に使用する木材には、耐久年数30年以上を誇り、ささくれが出にくい最高級の「ウリン材(アイアンウッド)」を採用。職人の手仕事によって、年月が経つほどに深い味わいが増していく「経年美化」の庭をつくります。
完成した日がゴールではありません。10年後、20年後、卒園した子どもたちが大人になって帰ってきたときにも、変わらずそこにある「園の原風景」となるよう、素材と植栽をひとつひとつ選び抜いています。
保育所保育指針が求める「環境を通した保育」を園庭で具現化するために、有名な教育評論家の言葉や、高額な既製遊具は必ずしも必要ありません。大切なのは、「国の指針が求めている本質的な幼児教育のあり方」と、それを支える「確かな造園の技術・設計思想」をロジカルに融合させることです。
「自園がこれまで大切にしてきた保育の歴史」を丁寧にお伺いすることから始めます。
「先生方がこれから子どもたちと一緒に作っていきたい未来」を一緒に描いていきます。
正解の園庭は、どの園も同じではありません。その園だけの「余白」をデザインします。
園庭は竣工して終わりではなく、そこから育っていく場所です。国の指針が求める本質的な学びと、確かな造園の技術・設計思想をロジカルに融合させながら、長く伴走できるパートナーとして、これからも園庭づくりに携わっていきたいと思います。
1級造園施工管理技士 / ビオトープ施工管理士 株式会社アトリエアムニー代表 飯沼伸久
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